第三の歯医者

もう一件、メールと電話だけで意見を伺った先生もいる。下の歯だけの治療、奥歯を削って作り直すということについて、ご意見を聞かせていただけた。

「下の歯だけを治療するということですが、一般的に噛み合わせ治療をする際、患者さんのケースにもよりますが上下両方というのはあまりお薦めしません」

「やるならどちらか一方です。両方を作り直しながらの調整というのはとても難しいことです。最終的に噛み合わせが合っていればいいわけで、どちらか一方、上だけとか下だけとかにした方が無難だと思います」

「あと顎関節症というのは一過性のものです。とにかく悪い歯を治してあげれば顎の機能も元に戻りますから。一時的なものだと思ってあまり心配しない方がいいと思います」

ということだった。

一過性なのか・・・。電話での応答ということもあり、それ以上のことは聞けなかったが、なんとなくその先生は顎関節症というキーワードそのものに少しネガティブな印象を持っているのかなと感じた。しかし、貴重な意見を聞けたと思う。

下の歯だけに治療を施すというのは間違っていないようなので、それはいいとして、やはり奥歯を削って作り直すというのがネックだった。

これ以上自分の歯を削られたくないという思いと、前の歯医者で削られてガタガタになっているのだから、全部削って作り直すしかないんじゃないのかという考えが交錯した。

迷いながらも結局下に接着するタイプのスプリントを付けていただいた。問題はこの後だ。このままここに通い続けるのか。また他を探すか。

その歯科医院のロビーには治療前、治療後の写真が掲示してあった。その写真をもう一度よく見てみる。

あくまで個人的な感想だが、キレイではないなと感じた。実際この方法で良くなった人は大勢いるのだろうし、どこへ行っても結局同じような方法で治療することになるかもしれない。

かなり悩んだ。

そうこうしているうちに、近所で口腔外科という文字の入った看板を出している歯科医院を見つけた。家から車で15分もかからない。本当に偶然通りかかって発見した。

試しに電話してみたところ、対応が丁寧だったので伺ってみることにした。入って驚いたのは、すごく雰囲気が良かったことだった。コップや前掛け等、触れるものは基本的に使い捨てという方針のようだ。こういった最低限の衛生管理は歯科医院が提供すべき当然のものかもしれない。今はそう思うようになった。

それまで通っていたところがひどかったのかもしれない。前掛けに何かがこびりついていたり、部屋の隅に抜歯された歯が瓶詰めになって置かれていたりした。夏場に冷房の効いたクーラーの真下で長時間待たされたこともあった。ここではそんなことはなさそうだ。

先生の対応も丁寧だった。スプリントではなく、メタルプレートを使用した治療を保険内でやれるという。けっこう悩んだが、結局こっちに移ることにした。

 

 



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